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渋谷エメラルドビル

2023

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大規模再開発事業により〈若者の街〉から〈大人も楽しめる街〉へと変貌を遂げつつある渋谷駅周辺地区に位置する商業ビルの計画である。

敷地は百貨店や飲食・アパレルビルが建ち並ぶ井の頭通りに面し、日中から深夜まで人の往来が絶えないエリアにある。

このプロジェクトではアフターコロナを見据えた商業ビルのあり方を模索し、建物ファサードについてふたつの提案を行った。

ひとつめはすべての窓が手動開閉可能な「呼吸するガラスファサード」である。商業ビルのプロトタイプとされてきたガラスカーテンウォールのビルは視覚的に開かれている反面、換気という点からは機械に依存した閉じた箱でもあった。手動で開閉する窓はアナログではあるが、自然の風を感じながら必要に応じて換気できる極めてサスティナブルな装置でもある。

ふたつめは日本建築の意匠をモチーフとした「和のファサード」である。街路に面したエントランスアプローチにおいて利用者を向かい入れる〈鳥居と参道〉を想起させるゲート、〈薬師寺東塔〉の屋根と裳階に学んだリズミカルな庇の重なり。これら直喩的ではない「和のファサード」が、世界中のインバウンドを招き入れる観光都市に建つランドマークの構えとしてふさわしいと考えた。

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