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LANDMARK ーTA初台ビルー 

2025

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上空に首都高速道路が走る幹線道路と植物が生い茂る緑道に挟まれた街区に位置する、飲食店と事務所の複合ビルである。

地下鉄京王新線初台駅の出口に隣接した敷地は間口4.5メートル×奥行16.5メートル。間口に対して奥行きが深く、建設工事がとても難しい狭小地である。計画当初より杭工事や鉄骨建て方工事のシミュレーションをおこない、建物間口に対する構造的な建物高さの指標となる搭乗比を勘案したうえで、最終的に地下1階地上7階建・鉄骨造の構造フレームが採用された。

建物が位置する初台駅の南口は、文化・ビジネス拠点である東京オペラシティや新国立劇場が建つ都市的な東口とは対照的に、小さな商店や住居が建ち並ぶエリアである。すぐそばには玉川上水を暗渠化した初台緑道があり、都心でありながらどこかのんびりとした街の雰囲気が感じられる場所である。一方で街並みとしては無個性でとりとめのない風景が広がっている。

〈LANDMARK-TA初台ビル-〉の計画にあたって私達が目標としたのは、こうした環境の中で街を行く人々の道標となるような建築である。 建物は敷地奥側にフレキシブルで整形なテナントスペース、前面道路側に避難上必要な屋外の非常階段と避難バルコニーという一般的な計画のセオリーとは逆の構成をしている。

これは間口が狭く奥行きが深い敷地に対し、最大限効率よくテナントスペースを確保するための苦肉の策であるが、結果的にビルの裏方とも言える非常階段と避難バルコニーが建物のファサードとなってしまう。そうした状況に対し、ここではネガティブな要素を【立体的な屋外空間】としてポジティブに再定義し、奥行きのあるファサードへと転換することを試みた。 

アルミアングル型材による縦格子は、長さや取付高さに規則性のないランダムなリズムにより生命力あふれる多種多様な植物と呼応し、見る角度や天候によって様々な表情を見せる。

建築と植物が融合したファサードをもつこの建築が、このエリアを語る上で欠かすことのできない〈緑のランドマーク〉として長く愛されることを願っている。

設計:土屋毅+大谷一平

構造:mhr

植栽:ユニバーサル園芸社

施工:株式会社辰

撮影:木谷元・STUDIOSEN

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