神奈川県厚木市、 繁華な市街地に建つテナントビルの2階部分に計画した認可保育所である。

ビルは、東面と南面に開放的な水平連続窓をもち、道路を介して地区公園に隣接している。地上と切り離されたビルインの保育所特有の閉塞感を和らげ、同時に限られた空間の中で多様な居場所をつくれるかがテーマとなった。

園舎は、長方形の平面がさらに長手方向に3分割されたスペースにより構成される。3つのスペースはそれぞれ、家型や並木の記号を散りばめた絵本やお話の空間 〈ストリート〉、窓の向こうに公園の縁を望む活動的な空間〈ガーデン〉、ホームグラウンドとしての〈ルーム〉からなり、異なる素材・色彩により計画されている。

ビルの中にできた「ちいさな街」。その街中を思う存分歩き廻り、それぞれがお気に入りの居場所を発見できるような園舎になればと思う。