千葉県船橋市、交通量の多い幹線道路から少し入った場所に建つオフィスビルの計画である。

敷地は警察署などの公的な中層建築物が建つエリアにあり、前面道路を介して住宅街に面している。企業を象徴するアイコニックな造形であると同時に、街並みに配慮した建物であることが求められた。

建築のコンセプトは【都市に浮かぶモノリス】である。2階から4階の事務室部分を、浮遊する立方体（モノリス）として表現し、その上下に生まれる空間をエントランスホールとペントハウスとした。

街並みとの連続性を意図したエントランスホールとは対照的に、ペントハウスは街の喧騒から切り離され都市を一望できる空間である。一方、基準階の事務室は住宅街側に対し閉じながら南北方向に開かれている。

単純明快な形態でありながら、都市に対して異なる距離感をもつ多様な空間を内包している。そのようなオフィスビルをつくりたいと考えた。