千葉県船橋市に計画した8つのユニットによる集合住宅である。

敷地は幹線道路に沿って木造家屋が高密度に建ち並ぶ住宅街に位置する。建物は周辺家屋のボリュームと同程度に分節された3つの直方体と、その間に挿入されたテラスからなる。各ユニットは、全面ガラスによる〈ひらかれた部屋〉と水平連続窓による〈まもられた部屋〉というふたつの部屋をもつ。ふたつの部屋は上下に積まれたメゾネットユニットや、テラスを介したハナレ付ユニットとなり、立体パズルのように組み合わされて特徴的なファサードを構成する。生活の主空間とは切り離された〈ハナレ〉はオフィスやアトリエ・ルームシェアなど多様な暮らし方を可能にする。

公と私の中間領域とも言えるこの空間をきっかけとして、郊外における新たな生活像を描けるのではないかと考えた。