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高円寺りとるぱんぷきんず
2018
東京都杉並区と中野区の区境に建つ、国有地を活用した認可保育所である。
敷地は中野駅周辺の再開発に伴い誘致されたオフィスビルや大学キャンパスに程近い住宅街に位置し、園庭の代替地である地区公園に隣接している。前面道路は地域の主要な生活道路である上に、抜け道としてかなりの交通量がある通りで、保育所の立地としては必ずしも恵まれた環境とは言えなかった。
建築は、前面道路と平行して設けた幅員2mの遊歩道を軸に計画されている。街の小さなパブリックスペースともいえる空間に向かって、緑豊かな前庭・開放的な保育室を設けることにより、街とのあいだに明確な境界をもたない、街並と連続した園舎を実現している。また、内部空間はエントランスホールから連続するランチルームが、園児の集うシンボリックな空間として機能し、ジョイストスラブや窓越しの公園の緑と相まって、パーゴラのある中庭のような役割を果たしている。中央に設けた谷間のような吹抜空間は、建物の奥深くまで光を導き、ドラフト効果によって自然換気を促す環境装置である。
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