AMC柏オフィス
2025

千葉県柏市に木立に包まれた小さな森のようなオフィスをデザインした。
世界品質の工業用フィルターの製造販売をおこなうAMCは、多様性を尊重した柔軟な働き方を推奨し、社員のウェルビーイング向上に努める先進的な企業である。社屋のリノベーションにおいてもそのような理念を具現化したおおらかでフレキシブルな環境づくりが求められた。
リノベーションの対象は鉄骨造2階建社屋の1階部分となる間口11m✕奥行18mのスペース。先ずその内側に断熱壁と室内窓を設け、入れ子状の断熱改修をおこなった。中央のフレキシブルなスペースを固定席や会議室が取り囲む、極めてオーソドックスなプランを特徴づけているのは、壁にかわって林立する杉丸太材の〈木立〉である。太さもかたちも節の位置もどれひとつとして同じものがない多様な造形をした〈木立〉は集合の密度をかえながらワンルーム空間を緩やかに隔て、オフィスの中にお互いの姿が見え隠れする〈つかずはなれず〉の距離感をつくりだす。
林立する木立のモチーフは、床タイルや上がり框、間仕切壁・スツールなど空間のディテールに繰り返し登場し、森のような世界観を演出する。一方、パウダールームはそれとは正反対のビビットカラーの幾何学によるデザインとし仕事の合間に気分をスイッチできる場所となることを意図した。
現代はいつでもどこでも誰かとオンラインでつながり働くことが出来る時代だ。それでもオフィスという空間が必要であるとすれば、シンプルに〈居場所を共有する〉ということにつきるのではないだろうか。せっかく集まるのであれば合理的で均質な居場所よりも、有機的で多様な居場所のほうが断然楽しい。小さな森のようなオフィスはそんな想いから生まれた。
設計 土屋毅+星野杏寿+小倉莉奈子
植栽 ユニバーサル園芸社
施工 BACON CO.,LTD.
撮影 CreativeEyes inc. Takehiro Kawamura
















