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みのりナーサリー
2021
静岡県牧之原市の認定こども園に併設された、保育室と地域交流/子育支援のフリースペースからなる保育所の計画である。
保育所は園児たちにとって、もうひとつの〈家庭〉であり、同時に他者や地域とはじめて向き合う〈社会〉である。
〈家庭〉としての保育所は【守られた居場所】が望ましい。
〈社会〉としての保育所は【開かれた居場所】が望ましい。
相反するふたつの居場所を同時に成立させる手法として私達は木とスチールの複合トラスによる無柱空間〈おおきな家〉が在来軸組工法の〈ちいさな家〉を覆う、入れ子構造を採用した。〈おおきな家〉は光や風を目一杯とりこみ、地域の交流拠点ともなる【開かれた居場所】である。一方、〈ちいさな家〉は半透明皮膜を介して〈おおきな家〉にとりこまれた光や風を享受し、温熱環境や街の喧騒から【守られた居場所】である。
竣工後、園舎の軒下には地域住民が蔵書をシェアする「きんじょの本棚」が設置された。
軒下には、これまで保育所とは関わりのなかったお年寄りや学生が訪れ、さながら街の縁側のような役割を果たしている。
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